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植物図鑑も徐々に新しい分類体系に移行か

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植物図鑑も徐々に新しい分類体系に移行か

 

 

変化する分類体系

 

仕事で立ち寄った多摩森林科学園(東京都八王子市)で、樹木園に「カエデがムクロジ科?」という説明が掲げられていました。

植物に関心のある方ならご存じでしょうが、従来カエデ科に分類されていたカエデの仲間はムクロジ科に含まれるようになり、カエデ科というグループはなくなりました。樹木園の説明は「植物の分類体系は研究の進展に伴い、時代とともに進化します。研究機関である多摩森林科学園では、新しい分類体系を積極的に用いていこうと考え、新しく作った解説板や展示には新しい体系を使っていきます」とうたっています。補足しますと、主に形の情報をもとになされていた植物の分類へ、1990年代からDNAの情報も加えられ始め、2000年代に入って全体が体系的に整理されるようになりました。そして生まれたのがAPGという新しい植物分類体系で、国内では2010年頃から普及し始めています。

カエデ科がなくなったというのは、秋にカエデの紅葉を愛でてきた日本人にとって、この分類体系の変更が明らかになった際の最も象徴的な話題でした。だからこそ、多摩森林科学園でも「カエデがムクロジ科?」と、目を引く説明をしたのでしょう。その他にも、樹木園の解説板を見て回って、改めて「あ、そうか!」と気付いた変更点としては、ガマズミ:スイカズラ科→レンプクソウ科、ネムノキ:マメ科→ネムノキ科、エノキ:ニレ科→アサ科、ムラサキシキブ:クマツヅラ科→シソ科、などなど(ただし、これらは元の科名がなくなったわけではありません)があり、改めて大きな変化を認識しました。

ややこしいのは、まだかなりの植物図鑑が古い分類体系のままの説明であることです。新しい体系に沿った図鑑も、ここ数年でずいぶんと増えてきましたが、おそらく書店の店頭でも多数派にはなっていないでしょう。そもそも、植物の分類は研究者によって見解が異なっていた面もあり、古い情報についても間違いだと言い切れないところがあります。樹木園の中を探してみると、まだ古い分類体系のままの説明板もけっこう残っていました。森林文化協会としては、すでに『グリーン・パワー』の記事では新しい分類体系に沿った紹介を心掛けていますが、社会的には徐々に新しい体系が広がっていけば良いのだろうと考えています。皆さんは、どう思われますか。

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