
【声明】
種苗関連2法案の成立に反対し、種子の公共性と農民の権利の回復を求めます

今国会では危険きわまりない法案がいくつも出ています。その中でも、今後の日本のタネ、食のあり方をさらに危うくする法案が2つ出ています。
「種苗法の一部改正案」と「重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(通称気候変動等対応品種法案、以下新育苗法案)」がそれです。
本日、OKシードプロジェクトとして声明を出しました。
この2法案が成立すれば、地方自治体は多国籍企業の下請け機関となってしまいかねません。
というのもこの新育苗法案には民間企業が地方自治体に代わって「都道府県基本計画」を作成して、地方自治体に提案できるとする条項が含まれているのです。
予算も人も足りない県に対し、資金力のある巨大種苗企業が「気候変動に対応したゲノム編集品種の広域展開モデル」といった立派な「計画パッケージ」を持ち込んだ場合どうなるでしょう。
県はそれを丸呑みして県の「基本計画」としてハンコを押してしまいかねません。
しかも、その計画には国からの交付金などの支援までが付いてくるので、予算に苦しむ地方自治体がその計画に飛びつく可能性は大なのです。
この法案は、民間企業が地方自治を合法的に乗っ取るためのバックドア(裏口)だと言わざるを得ません。
この法案によって、これまで地方自治体がほとんどを担ってきた稲などでも一気に民間企業の参入が進む可能性があります。
しかし、その企業は地元の小さな種苗企業ではありません。
日本は世界の巨大種子企業が作った条約UPOV1991に加盟しており、外国企業にも内国民待遇を与えることが義務付けられており、一気に多国籍企業が地方自治体の基本計画を握ることができることになります。
今回の新育苗法案は、これまでの地方自治体による公的種苗事業を法的に直接否定するものではありませんが、従来の種苗事業に国家主導の大きなバイパスを作ります。そして、そのバイパスが大きくなれば、従来の道は細ってきて、実質的に地方自治体による公的種苗事業は開店休業状態に追い込まれるでしょう。
地方自治体は自らの品種開発を放棄して、民間企業が作る品種のためのインフラとしてだけ残っていくことになってしまうかもしれません。タネはみな、企業の独占物になってしまいます。
主要農作物のタネについては、コシヒカリやササニシキに代表されるように、地方自治体が主軸となって開発し、そして生産してきました(野菜のタネはすでに外国に委託生産するのがほとんどになっており、国内でのタネ採りは1割に満たない状況です)。
公的に作られたタネは公的品種として地域に合ったものが優先され、その技術は世界一のレベルにありました。
しかし、その公的種苗事業が民間企業の下請けに再編されようとしています。
公共の財産が民間企業の私物へと化けてしまいます。
地方自治体の公的種苗事業の目的は地域経済の振興にありました。
しかし、それが地域の振興とは関係のない、輸出を含む広域市場をめざす民間企業の事業のために使われることになれば、今後の地方の農業はどうなってしまうでしょうか?
グローバル化した農業はもはや限界を迎えており、現在、世界で急速に発展しつつあるのは、地域に根ざした多様な農業です。
その新しい時代のきざしを見ることができない官僚が多国籍企業のパートナーと共にこのような究極の国家主導の民間企業優遇体制を作る政策プランを作ったに違いありません。
残念ながら、このプランも戦艦大和、半導体事業、液晶事業などに並ぶ無残な結果になるのは目に見えています。まだ半導体事業であれば失敗しても、経済低迷程度で済みますが、タネで失敗したら、社会は存立を脅かされる事態になります。
あなたのお住まいの地方自治体がこのような種苗政策に巻き込まれないように、地方議会で意見書や条例制定に動くことがとても喫緊の課題になっています。
それを実現するためにも、この声明を広げ、ぜひ、各地で学習会を開いてください。
そして、この問題を地元の議員や地方自治体関係者に伝えてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
【声明】
種苗関連2法案の成立に反対し、種子の公共性と農民の権利の回復を求めます

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