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9月9日の「重陽の節句」の菊酒に続き、今回は「食用ぎく」をご紹介します。

食用ぎくというと、刺身と一緒に盛られているつま物が一般的ですが、東北地方や新潟では、花びらを野菜として食べています。

菊は、奈良時代に観賞用や薬用として中国から伝わったといわれています。いつから食用として利用されるようになったのかは定かではありません。

ただ、江戸時代の元禄3(1690)年に、松尾芭蕉が「蝶も来て酢を吸ふ菊の膾哉」という句を詠んでいます。

もてなしを受けた芭蕉が、菊の酢の物の美味しさを誉めたものですが、これからすると、江戸時代には菊を食べていたようです。

食用ぎくは、観賞用の中から苦みの少ない物や甘みのある物が、食用に栽培されるようになったといわれています。

菊といえば黄色の花びらを連想する人が多いと思いますが、赤紫色もあります。写真の品種は「もってのほか」。

軽く茹でると袋状の花びらがキュッキュとした独特の食感をうみます。

お浸しにしたり酢の物や和え物にすることが多いですが、見ても楽しい彩りある一品になります。

名前の由来は「もってのほか(思っていたよりもずっと)美味しい」からだそうです。

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