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 モンサントが追い詰められている

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モンサントが追い詰められている

 

 

 

Stop GMO

 

EUで当然承認されると思っていたモンサントの主力商品ラウンドアップ(グリホサート)の15年の使用延長承認が下りない。ラウンドアップはモンサントのこれまでのビジネスを支える基軸となる商品だ。

グリホサート(ラウンドアップはモンサントの商品名)はその有害さゆえに反対が強まっているわけだが、それだけに留まらない。米国などではグリホサートが効かない耐性雑草が大量に出現し、もはや効力を失ってきている。

そのポスト・グリホサートの第一弾としてモンサントが出してきたのはジカンバというさらに別の危険性が指摘される農薬をラウンドアップに混ぜた混合農薬に耐性のある遺伝子組み換え。日本政府は早々に2013年に承認しているが、中国やEUはまだ承認していない。もう1つの遺伝子組み換え企業、ダウ・ケミカルはベトナム戦争で使った枯れ葉剤の主成分2,4-Dに耐性のある遺伝子組み換えを開発。

これも日本政府は2012年に承認するも、EU、中国は承認せず。ダウはこの事態を受け、2,4-D耐性遺伝子組み換えの本格的な販売体制をまだ取っていない。売ってしまえば莫大な訴訟に見舞われること必至だからだ。

それにも関わらず、モンサントは強気を崩さなかった。承認は得られると公言し、莫大な投資をジカンバ種子生産とジカンバ混合農薬につぎ込んだと報道されている。オバマ・習近平の米中会談で中国は落とせると思っていたのだろう。

今年2月、モンサントは中国がジカンバ耐性大豆を承認したと発表した。しかし、それがウソであったことを中国政府高官が発表している。なぜ、ウソまでついたのか? 既成事実化して、EUにもプレッシャーをかけたかったのか?

さらにこれまで米国政府の食料政策のシーザー(帝王)と呼ばれ、遺伝子組み換え促進政策に大きな影響力を及ぼしてきたモンサント元副社長マイケル・テイラーが米国政府食料医薬品局(FDA)の副長官を3月に辞任している。

これも一時代の終わりを意味するのか?

結局、今年度の大豆、トウモロコシの植え付けにはジカンバ耐性遺伝子組み換えは承認が間に合わず、「莫大な投資」は回収できなくなっている。結局、危険ゆえに主力商品がスリランカで拒否され、エルサルバドルで拒否され、EUで拒否されたばかりか、農薬としての有効性も否定され、莫大な資金をかけて開発したその対策新商品が売れないという事態。

モンサントにとって悲劇なのはそればかりではない。アフリカで遺伝子組み換えを栽培している数少ない国の1つ、ブルキナファソが遺伝子組み換えをやめることを決めた。

モンサントのBtコットンが質が低すぎて莫大な損害を受けたが、モンサントは対応せず、対応する技術がないとしてその耕作を順次やめることを決定、その損害に賠償を求めている。さらに、インド政府はモンサントのロイヤルティ(技術料)の引き下げを命じ、アルゼンチンの裁判所はロイヤルティの徴収を認めない決定を行った。

長いこと上がり続けていた株価は低迷、先行きが見えない。かなり思い切ったリストラ策を出すも、回復する見込みが見えない。こんな中でドイツのバイエルが買収提案。モンサントは拒否する体力がもうなく、あとは交渉次第になりそうだ。

しかし、もし買収が成立すれば世界の種子と農薬でさらに大きな独占力を持つ企業となる。TPPが成立すれば、今後、種子を農民がコントロールすることはますます難しくなる。

種子企業から買わざるをえない時代になっていく。その時、世界市場の3割近くを独占する巨大多国籍企業となって、農民や自然、消費者の大きな脅威であり続けることになってしまう。

こうした独占を許してはいけない。モンサント社は解体し、その莫大な生命への特許をパブリックドメイン、公共の財産とすべき。生命への特許を否定すればそれまでなのだけど。

 

 

 

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