大規模化、スマート農業、輸出拡大の3本柱で大丈夫なのか?

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大規模化、スマート農業、輸出拡大の3本柱で大丈夫なのか?

 

 

 

 

 

 

 

印鑰 智哉さんから

 

備蓄米の放出でメディアは平均米価が7週連続で下がっていると報じています。でも自然災害などへの備えである備蓄米はほぼなくなり、また新米の価格も高くなりそうであり、一時しのぎに過ぎない施策しか政府は打ち出していません。

一方で、農家が安心してお米を作る、あるいは新規に農業に安心して参入できる状況は作られたかということがもっとも問題の核心なわけですが、それに対する対策はどうでしょうか?

自民党は5年で農業予算を2兆5000億円として、通常予算とは別枠で1億3000億円の予算投入を決議しました(6月2日 朝日などが報道)。これならば少しは安心できるようになるか、というと、どうもそうになりそうにありません。

自民党案では農地大区画化整備 8000億円、共同施設の再編・集約化 9000億円、スマート農業や新品種開発 7000億円、輸出拡大 2000億円などとなっており、要は大規模化、スマート農業、輸出拡大の3本が柱であり、全国の8割以上を占める小規模農家の生存を可能にする農家の戸別所得保障は含まれていません。その予算は5000億円+αがあれば、最低限の底支えはできるのに、それよりはるかに大きな金額を大規模化などに使ってしまうのです。

16%の大規模農家を守れば、7割の生産は確保できる。足りない分は輸入すればいい、つまり、農家は8割減っても構わない、そんな試算を三菱総研は出していますが、政府の姿勢は基本的にそちらを未だに向いていると言わざるを得ないと思います。

とんでもない発想です。でも与党が惨敗しても、小規模農家を積極的に守る立場を鮮明にしている政党は苦戦が予想され、このままだとその方向に進んでしまいかねません。

また、今、テレビやYouTubeでも大人気なのが乾田直播。水田を作らない農業です。水田作らないから田植えという重労働から解放される、大規模でできるから米価も下げられる、などと宣伝されています。もちろん、水田を作れないところで陸稲を使うのはありでしょう。でもわざわざ水田をつぶして、それを乾田にしたら何が起こるか、メディアはそれも検討した上で、宣伝しているのでしょうか?

実は前から、この乾田直播を推進していた企業があります。それがモンサントです。なぜ、モンサントが本格的に日本に入ってこなかったか、いや日本だけでなく、モンサントはアジアの主食分野にはほとんど入り込んでいません。インドのコットンやオーストラリアのナタネ、フィリピンではトウモロコシで入ってきていますが、それを例外としてほとんどアジアには入り込めていません。モンサントを阻んできたのはもちろん、市民や農民の抵抗もありますが、もう一つ、大きな理由があります。それは水田です。

水田がもたらすメリットは書き出すとたちまち長文になってしまうので一言だけ付け加えると、農薬や化学肥料に頼らないで連作できるモンスーンアジアという生態系にぴったり合った農法が水田だと言うことができます。もし、この水田をやめてしまえば、生態系を破壊せずに生産を続けることは困難になり、主食の生産は将来的に大変な事態になってしまう可能性があります。

「令和の米騒動」、もう少し落ち着いて、日本が行くべき道を考える必要があります。でなければ、とりかえせない大きな間違った道に進んでしまうかもしれません。参院選前に考えてほしいこと、国政レベルではなくてもできること、一人でもできること、考えていきたいと思います。

とても短い文章には書ききれませんが、そのことをじっくり考える機会を作っていただきました。

【今後の予定】

7月17日 午前10時〜12時
小川町民会館リリック 埼玉県比企郡小川町大塚55番地
詳細 https://v3.okseed.jp/event/ogawamachi2507

7月21日 午後2時〜4時
会場:エコストアパパラギ2階

主催 NPO法人気候危機対策ネットワーク
共催 エコストアパパラギ 神奈川県藤沢市鵠沼石上1-3-6 エコストアパパラギ
申し込み https://kikoukiki.org/?page_id=648

9月13日午前10時〜11時45分には大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)に伺います。詳細は主催者告知開始後にお知らせします。

 

 

 

 

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