【特集】海外食料需給レポート

   穀物全体の生産量は、前年度より減少して消費量を下回り、期末在庫率は低下する見込み。

 穀物全体の期末在庫率は18.9%と前年度(20.5% )を下回る見込み<FAOの安全在庫水準(17~18%)。



《主な品目別の需給》

〈小麦〉

 生産量は、米国、インド、カナダで増産も、前年度より減少して消費量を下回り、期末在庫率は世界全体では低下する見込み。

[生産量]

 659百万トン(▲5.2%)

[消費量]

 681百万トン(▲2.0%)

[期末在庫率]

 26.0%

・旧ソ連諸国では収穫がほぼ終盤。凍害や乾燥等により生産減。

・米国は、収穫が終了。生産量は前年を上回る見込み。

・カナダは順調な生育で収穫が進展。生産量は前年を上回る見込み。

・インドの冬小麦は、収穫が終了し、史上最高の生産見通し。



〈とうもろこし〉

 生産量は、米国の干ばつによる減産で、前月から下方修正され消費量を下回り、期末在庫率は低下する見込み。

[生産量]

 841百万トン(▲4.1%)

[消費量]

 857百万トン(▲0.9%)

[期末在庫率]

 14.5%

・米国はコーンベルトの干ばつにより生産量が大幅に下方修正( 3 7 5 百万 トン(6月)→272百万トン(9月))。

・中国では、天候に恵まれ概ね順調に生育が進展し、今後収穫期。飼料向け需 要等は今後も堅調。

・アルゼンチンでは作付け開始。単収の回復による増産見込み。また、ブラジ ルでは前年度を下回るも2年続きの豊作見込み。



〈米〉

 生産量は、アジア諸国での作付面積の減少等により、前年より減少して消費量を下回り、期末在庫率は低下する見込み。

[生産量]

 464百万トン(▲0.2%)

[消費量]

 468百万トン(+2.1%)

[期末在庫率]

 21.9%

・中国、インドネシア、タイ等で単収の増加等から豊作見込み。

タイでは担保融資制度による買上げで政府在庫が大幅に積み増し。

・インドではモンスーンの到来遅れにより雨季米(カリフ米)の作付減。



〈大豆〉

 生産量は、米国で減産となるも、作付けが開始された南米の増産見込みで前年度より増加して消費量を上回り、期末在庫率は世界全体では上昇する見込み。

[生産量]

 258百万トン(+8.9%)

[消費量]

 257百万トン(+0.9%)

[期末在庫率]

 20.7%

・米国では、作付面積は増加したが、コーンベルトの干ばつにより減産の見込 み。期末在庫率は4.3%と低水準で推移。

・中国では、作付面積減に加え、旺盛な需要から輸入量が増加。

・前年度、高温・乾燥等の被害により大幅な減産となったブラジル、アルゼン チンで作付面積が大幅に増加し、増産となる見込み。

 

 

 

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