桑の葉に含まれるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)はどうやって血糖値を上げないようにしているのだろうか。
唾液と膵臓のアミラーゼによってデンプンはマルトースになり、マルコースにされる。
小腸上皮細胞は糖が2個以上つながったものは吸収しないが、1個になったグルコースは吸収する。これで、血糖値は上昇するわけだ。
α―グルコシダーゼにはマルトースがはまり込むポケットがあり、ポケットにはまったマルトースは切断されてグルコースになって、α―グルコシダーゼから離れる。
DNJはグルコースとよく似た構造なので、α―グルコシダーゼは間違ってDNJをポケットに取り込んでしまう。ポケットにDNJがはまり込むとマルトースはポケットに入れなくなる。そのため、マルトースは分解されず、すなわちグルコースにはなれない。
こうやって、DNJはマルトースの分解を妨害する。その結果、グルコースにまで分解されるマルトースの量が減り、血糖値の上昇は低く抑えられる。
血糖値の上昇が抑えられた分だけ老化の大敵であるタンパク質の糖化が抑えられるので、老化速度も鈍る。糖尿病の人にとっても健康な人にとっても好都合な働きを、DNJはやってくれているわけだ。
*原 三郎 さんの補足
桑の葉は糖尿病によく効きます。食後血糖値の抑制に効果が有ります。その原因物質はDNJと呼ばれています。健康食品の中では、理由が非常に明確です。
原三郎さんのプロフィール
NPO法人 日本マルベリークラブ
代表理事 President · 2004年6月から現在
桑・カイコ・絹の新しい機能の解明とその利用方法の研究、それらの効果の普及活動
Studies, development and promotion of new functions and utilization of mulberry, silk-worm and cocoon.



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